OpenAIとは?ChatGPTを開発したOpenAIのAPI料金・日本法人・株価・活用事例をわかりやすく解説
近年、ChatGPTをはじめとする「生成AI」が急速に普及し、ビジネスや教育、日常生活の中にも浸透しています。その中心にいるのが、アメリカの人工知能研究企業OpenAI(オープンエーアイ)です。
「ChatGPTって聞いたことあるけど、どんな会社が作っているの?」「OpenAIって結局何を目指してるの?」そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、OpenAIの設立背景や組織構造、提供する代表的なAIサービス、そして今後の展望や課題までを、わかりやすく解説します。初めてOpenAIについて調べる方にも理解しやすいよう、専門用語を避けて丁寧にまとめていますので、ぜひ最後までご覧ください。
OpenAIの活用事例と導入の進め方
「ChatGPTは聞いたことあるけど、実際どうやって使うの?」「会社や学校で活用できるの?」
そんな疑問を持つ方も多いと思います。ここでは、OpenAIのAIがどこでどう使われているのか、実際の事例や使い方を紹介します。
企業や自治体での導入事例
最近では、大手企業だけでなく、中小企業や自治体でもChatGPTなどのAIを導入するケースが増えてきました。
たとえば──
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社内のマニュアル作成やFAQの自動対応
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問い合わせメールの返信案をAIが提案
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プレゼン資料や企画書のたたき台をAIで作る
など、「人の手でやると時間がかかるけど、AIなら数分で済む」という業務に活用されています。
また、日本のソフトバンクグループや一部の自治体では、住民対応や行政手続きの効率化にもAIが使われはじめています。教育機関での利用シーン
教育の場でもAIの活用が広がっています。
たとえば、滋賀大学では「ChatGPT Edu」を導入して、レポート作成の補助や研究の情報収集などに使われています。海外では、ハーバード大学やカリフォルニア州立大学などでも導入が進んでいます。
こんな使い方があります:
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学生の質問にAIが24時間対応
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複雑な用語をわかりやすく解説
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英文の添削や翻訳をサポート
授業の補助や、自主学習のパートナーとしても活躍しています。
個人ユーザーができること
もちろん、個人でもOpenAIのAIは簡単に使えます。
たとえば──
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「旅行の計画を立てたい」「レシピを考えてほしい」といった相談
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メールや文章の添削
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勉強のサポート(英語、歴史、数学など)
スマホやパソコンがあれば、誰でも無料で始められるChatGPT(無料プラン)がありますし、さらに高機能な有料プラン「ChatGPT Plus」にアップグレードすることも可能です。
また、プログラミングに関心がある方なら、OpenAIのAPIを使って自分だけのアプリやツールを作ることもできます。
ChatGPTとOpenAIの違いとは?
「OpenAIって会社の名前?それともChatGPTのこと?」
そんなふうに混乱する人も多いようです。ここでは、OpenAIとChatGPTの関係をわかりやすく整理してみます。
「ChatGPT」はOpenAIが開発したサービス名
まず、「ChatGPT(チャットジーピーティー)」は、OpenAIが提供しているAIチャットサービスの名前です。
質問に答えたり、文章を作ったり、会話したりできるAIとして、今ではすっかり有名になりました。
スマホやパソコンから使えるほか、LINEやSlackと連携して使う人も増えています。
「OpenAI」は企業名。ChatGPT以外にも多数のAIを開発
一方、「OpenAI(オープンエーアイ)」は、そのChatGPTを作ったアメリカのAI開発企業の名前です。
ChatGPTだけでなく、以下のようなたくさんのAIサービスを開発しています。
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DALL·E(言葉から画像を作るAI)
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Sora(言葉から動画を作るAI)
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Whisper(音声を文字に変換するAI)
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Codex(コードを書くAI)
つまり、「ChatGPT」はOpenAIのプロジェクトのひとつというわけです。
OpenAIアカウントでできることと使い方
ChatGPTを使うには、OpenAIのアカウントを作る必要があります。メールアドレスとパスワード、またはGoogleアカウントなどで無料登録できます。
アカウントを作ると、次のようなことができます:
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無料でChatGPT(GPT-3.5)を使う
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画像生成AI(DALL·E)を試せる
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自分専用のAI(GPTs)を作って使える
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有料プラン(GPT-4o)に切り替えて、もっと高機能なAIを使う
「OpenAI=ChatGPT」ではなく、「OpenAIの中のひとつのサービスがChatGPT」と覚えておくと混乱しません。
OpenAI APIの料金とプラン体系
ChatGPTを使っていて、「APIって何?」「有料なの?」と気になる人も多いかと思います。
ここでは、OpenAIのAPIについて、どんなサービスがあって、どれくらいの料金がかかるのかを、わかりやすく説明します。
API料金の基本構造
APIとは、ざっくり言うと「AIの機能だけを取り出して、自分のアプリやサービスに組み込める仕組み」のことです。
たとえば、自社のWebサイトにAIチャットを入れたい、社内ツールで自動要約を使いたい、というときに、OpenAIのAPIを使うと実現できます。
料金は「使った分だけ払う」従量課金制で、使うモデルや処理量によって変わります。数円〜数十円程度で1回の問い合わせができるイメージです。
GPT-4・GPT-4o・Whisperなどモデル別の価格
OpenAIのAPIでは、以下のようなモデルが使えます。
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GPT-3.5:軽量で安価。簡単なチャットボットに向いています
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GPT-4:より賢く、複雑なタスク向き。料金は高めです
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GPT-4o:音声・画像・テキストが同時に扱える最新モデル。GPT-4より高速&安価です
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Whisper:音声から文字に変換。1分あたり約0.006ドル(約1円未満)
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DALL·E API:画像を生成するためのAPI(価格は用途による)
GPT-4やGPT-4oは、回答の精度が高くて便利ですが、その分コストも上がるので、使い方を工夫するとよいでしょう。
無料枠と試用の可否について
OpenAIのAPIには、登録時に少しだけ使える無料の試用クレジットがつくことがあります(時期によって変わります)。試してから本格導入できるのはうれしいポイントですね。
ただし、ChatGPTの無料版とは別物なので注意が必要です。APIを使うには、OpenAI Platform に登録して、APIキーを発行する必要があります。
個人で試したい場合も、少額で始められるので、実験的に使ってみるのもおすすめです。
OpenAIとイーロン・マスクの関係とは?
OpenAIについて調べていると、よく「イーロン・マスク」という名前が出てきますよね。
「え、テスラの人が関係あるの?」と思う方も多いかもしれません。
実は、イーロン・マスクはOpenAIの設立メンバーの1人なんです。
創業メンバーの一人だったマスク氏
OpenAIが設立されたのは2015年。
そのときに中心になっていたのが、サム・アルトマンやイーロン・マスクなど、シリコンバレーで有名な起業家たちでした。
当初は、「AIを少数の企業が独占せず、人類のために開発しよう」という理念で始まり、マスク氏もそのビジョンに共感していました。資金面でも大きく支援していた人物です。
なぜOpenAIを去ったのか
ところが、2018年にイーロン・マスクはOpenAIを離れます。
その理由は「利益相反」と言われています。
ちょうどその頃、マスク氏が率いるテスラでもAIを使った自動運転技術の開発が進んでいたため、OpenAIとの方向性がぶつかる場面も出てきたようです。
さらに、OpenAIが非営利から営利の仕組みに移行していく中で、「方針が変わってきた」と感じたことも理由のひとつだったといわれています。
xAI設立とOpenAIとの確執
そして2023年、イーロン・マスクは自らのAI企業「xAI(エックスエーアイ)」を立ち上げました。
OpenAIに対抗するような形で、「もっとオープンなAIを目指す」と発表したことで、業界でも注目を集めました。
その後、OpenAIに対して法的措置を取ったり、逆にOpenAI側が反訴したりと、関係は完全に“仲良し”というわけではなさそうです。
マスク氏は現在もAI分野に強い影響力を持っており、OpenAIと並んで注目すべき存在といえます。
OpenAIに株式はある?株価は公開されている?
ChatGPTの人気や、OpenAIの急成長を見て、「OpenAIの株って買えるの?」「株価はどのくらい?」と気になる方も多いと思います。
ですが、結論からいうと、OpenAIは上場していないため、一般の人が株を買うことはできません。
OpenAIは非公開会社。株式市場では取引されていない
OpenAIは、ちょっと特殊な会社です。
もともとは非営利団体(NPO)としてスタートし、後に営利法人を併設する形で現在の構造になりました。
そのため、株式を公開して投資家を集める「上場企業」ではなく、あくまで「非公開企業」として運営されています。証券取引所には上場していないので、私たちが証券口座でOpenAI株を買うことはできません。
出資企業や評価額について
ただし、マイクロソフトをはじめとする大手企業や投資ファンドが、非公開株を保有していることは知られています。
たとえば──
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マイクロソフトは、OpenAIに100億ドル以上を出資し、営利部門の最大49%の持ち分を保有しています。
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2023年時点でのOpenAIの企業評価額は、約860億ドル(日本円で約12兆円)。
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2025年初めには、評価額が3000億ドル規模に達したという報道も出ています。
このように、一般向けの株はありませんが、内部では大規模な投資が活発に行われています。
今後上場する可能性はある?
現時点では、「OpenAIが上場する」という公式発表はありません。
むしろ、設立当初の理念や、非営利法人が意思決定を握っている構造を考えると、上場は慎重になる可能性が高いと見られています。
ただし、事業規模の拡大やグローバルな展開が進む中で、将来的に上場を検討する可能性はゼロではありません。
もしそうなれば、AI関連の注目株として世界中から関心が集まるのは間違いないでしょう。
OpenAIとは?基本情報と創設の背景
OpenAI(オープンエーアイ)は、アメリカ・サンフランシスコに本拠を置く人工知能(AI)の研究開発企業です。世界中で注目されている生成AI「ChatGPT」や、画像生成AI「DALL·E」、動画生成AI「Sora」などを開発しており、近年のAIブームの中心的な存在として知られています。
元々は非営利団体としてスタートしましたが、その後営利法人を組み合わせた独自の体制へと移行。現在は、革新的な技術開発を続けながらも、社会全体にとって有益なAIの普及を目指して活動を行っています。
OpenAIの設立と創業者たち
OpenAIは2015年12月、サム・アルトマン、イーロン・マスク、グレッグ・ブロックマン、イリヤ・サツケバーらを中心に設立されました。創業時には、「人工知能の力を少数の企業が独占するのではなく、人類全体にとって利益をもたらす形で活用すべきだ」という強い理念のもと、非営利組織として運営がスタートしました。
創業時には10億ドル規模の寄付の約束があり、Y CombinatorやPayPalなどで知られる起業家・技術者たちが参加していることでも注目を集めました。
非営利から営利へ?組織の特殊な構造とは
OpenAIの運営体制は少し複雑です。現在は、非営利法人である「OpenAI, Inc.」を中核とし、その傘下に営利法人「OpenAI Global, LLC」を設けるという2層構造をとっています。
この構造は、営利活動を通じて外部からの資金を調達しつつ、最終的な方針や意思決定は非営利側が担うというものです。マイクロソフトが最大49%の株式を保有するなど、大規模な出資を受けつつも、開発されたAIの取り扱いには明確な制限が設けられています。
たとえば、汎用人工知能(AGI)が実現した場合、それを外部にライセンス提供することは禁止されており、企業の営利活動だけでは制御できない仕組みになっています。
OpenAIのビジョンとミッション
OpenAIの掲げるビジョンは、「人類全体に利益をもたらす形で汎用人工知能(AGI)を開発・普及させること」です。これは、あらゆる知的タスクを人間と同等またはそれ以上にこなすAIを、人間社会と共存させながら活用することを意味します。
公式サイトでも次のように述べられています:
Our mission is to ensure that artificial general intelligence benefits all of humanity.
(私たちの使命は、汎用人工知能がすべての人類に恩恵をもたらすようにすることです。)
この理念は、AIが軍事目的や独占的な利用に偏らず、教育や医療、環境など広い分野で活用される未来を目指しています。
OpenAIが提供する主なAIサービス
OpenAIは、世界中のユーザーや企業に向けて、多彩な人工知能サービスを提供しています。特に注目されているのは、テキスト・画像・音声・動画といったさまざまな形式に対応する生成AIツールです。以下では、代表的なサービスとその特徴を紹介します。
ChatGPTとは?
ChatGPTは、自然な会話ができる対話型AI(チャットボット)です。2022年11月に一般公開されて以来、世界中で爆発的な人気を集め、日常の質問対応からビジネス業務の自動化まで、幅広く活用されています。
基盤となっているのは「GPT(Generative Pre-trained Transformer)」という言語モデルです。最新の「GPT-4」や「GPT-4o」は、質問応答だけでなく、文章の要約・翻訳・論文の作成補助などもこなせる高性能なモデルとして評価されています。
また、企業向けの「ChatGPT Enterprise」、教育機関向けの「ChatGPT Edu」など、利用シーンに合わせたプランも展開しています。
DALL・E(画像生成AI)
DALL・E(ダリ)は、テキストから画像を生成するAIです。「猫がスーツを着てオフィスにいるイラスト」など、ユニークな指示を入力するだけで、イメージ通りの画像を自動で生成してくれます。
2023年には「DALL·E 3」が登場し、ChatGPTとの連携によって、プロンプト作成の難しさも軽減。誰でも直感的に画像生成を楽しめるようになりました。
Sora(動画生成AI)
Soraは、テキストから高精細な動画を生成できるAIです。2024年2月に発表されたばかりの新しいモデルで、1分程度の動画をリアルに描き出せる技術が注目されています。
例えば「街を歩く柴犬」や「火星を旅する宇宙船」など、文章を入力するだけで、まるで映画のような映像が自動生成されます。
Whisper(音声認識AI)
Whisperは、音声データを文字起こししたり翻訳したりするAIモデルです。多言語対応しており、日本語の音声を文字に変換したり、英語に自動翻訳したりすることも可能です。
教育機関や取材現場など、音声の記録や文字化が必要な場面で広く活用されています。
OpenAI Codex(コード生成AI)
Codexは、自然言語での指示からプログラムコードを自動生成するAIです。例えば「HTMLでシンプルなフォームを作って」と入力するだけで、実際に使えるコードを提示してくれます。
この技術は、GitHub Copilotなどに応用され、エンジニアの生産性を飛躍的に高める存在となっています。
OpenAI o1 / GPT-4o とは?
「OpenAI o1」は、2024年に公開された新しい大規模言語モデル(LLM)です。さらにその進化系である「GPT-4o」は、テキスト・画像・音声のすべてを扱えるマルチモーダルAIとして登場しました。
GPT-4oは、従来のモデルよりも高速・低価格でありながら、音声で会話したり、画像を見て答えたりする高度なインタラクションが可能です。
OpenAIの技術的進化と代表モデル
OpenAIは、創業以来、最先端のAIモデルを次々と開発し、進化させてきました。特に「GPTシリーズ」は、自然言語処理の分野で世界的に大きな影響を与えており、その性能と汎用性の高さから多くの分野で活用が進んでいます。
このセクションでは、OpenAIが開発してきた代表的なモデルと、その技術的な進化をわかりやすく解説します。
GPT-1〜GPT-4oまでの進化の流れ
GPT-1(2018)
最初の「GPT(Generative Pre-trained Transformer)」は、2018年に発表されました。教師なし学習によって大量のテキストを学習し、自然な文章を生成できるモデルとして注目されましたが、規模や性能は現在のモデルと比べると限定的でした。
GPT-2(2019)
2019年に登場したGPT-2では、パラメータ数が15億に拡大し、文章の一貫性や自然さが大きく向上しました。ただし、悪用リスクが懸念され、当初は完全なモデルの公開が見送られたことでも話題になりました。
GPT-3(2020)
2020年に発表されたGPT-3は、1,750億ものパラメータを持ち、桁違いのスケーラビリティを実現しました。翻訳、要約、対話など、幅広いタスクに対応可能であり、生成AIの可能性を広く知らしめるモデルとなりました。
GPT-3.5(2022)
GPT-3の改良版としてリリースされたのがGPT-3.5です。ChatGPTはこのモデルをベースにした初の対話型AIとして公開され、一般ユーザーにも広く普及しました。
GPT-4(2023)
GPT-4では、文章理解・生成の精度が飛躍的に高まり、画像の読み取りにも対応したマルチモーダルモデルへと進化しました。司法試験模試で人間の上位10%のスコアを出すなど、実用レベルの知性を持つAIとして評価されています。
GPT-4o(2024年)
2024年に発表された「GPT-4o(オムニ)」は、テキスト・音声・画像を一体で処理できるマルチモーダルAIです。リアルタイムで話し、聞き、見ることができるインタラクティブなモデルでありながら、速度とコストの両面で従来のGPT-4よりも優れています。
マルチモーダルAIとは?
「マルチモーダル」とは、複数の情報形式(モード)を同時に扱えるAI技術のことです。たとえばGPT-4oでは、「音声で話しかけて、画像を見せて、それについて返答をもらう」といった複合的なインタラクションが可能です。
この技術は、人間のような柔軟な対応をAIに実現させるものであり、教育、医療、サポート業務などへの応用が期待されています。
マイクロソフトとの提携とCopilotの展開
OpenAIの技術は、マイクロソフトとの強力な提携によって、さらに多くのユーザーに届けられています。マイクロソフトはOpenAIに100億ドル以上を出資し、「Azure OpenAI Service」や「Copilotシリーズ」を展開しています。
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GitHub Copilot:プログラミングを支援するコード補完ツール
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Microsoft 365 Copilot:WordやExcel、PowerPointなどにAIを統合
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Bing Copilot / Windows Copilot:検索やOS操作の支援
これにより、OpenAIの技術は単なる研究開発を超えて、ビジネス・開発・日常生活にまで浸透しています。
OpenAIの日本展開と国内動向
OpenAIは、アメリカやヨーロッパだけでなく、日本市場にも本格的に進出しています。2024年には日本法人を設立し、言語面・文化面においても日本向けの最適化が進められています。
このセクションでは、OpenAIの日本での動きと国内における導入事例について紹介します。
OpenAI Japanの設立と代表者
2024年4月、OpenAIはアジアで初となる海外拠点「OpenAI Japan合同会社」を東京に設立しました。これは、サンフランシスコ、ロンドン、ダブリンに続く4番目の拠点であり、日本市場への本格参入を意味しています。
日本法人の代表には、元Amazon Web Services Japan社長の長崎忠雄氏が就任。日本企業や教育機関との連携を強化する体制が整えられました。
また、日本語に特化したカスタムGPT-4モデルも発表され、日本語での精度や応答速度の改善が大きく前進しています。
ソフトバンクとの合弁事業「SB OpenAI Japan」
2025年2月、OpenAIはソフトバンクグループと50:50出資の合弁会社「SB OpenAI Japan」を設立しました。両社は年次約30億ドル規模のAI投資計画を発表しており、企業向けのAI導入支援や産業用途に特化したカスタムAI開発などを展開しています。
主な取り組みとして、AIサービス「Cristal Intelligence(クリスタル・インテリジェンス)」の提供や、国内工場をAIデータセンターに転用する計画も進行中。たとえば、シャープ堺工場の一部を約1,000億円で取得するなど、大規模なインフラ整備も視野に入れています。
日本の大学・企業への導入事例
OpenAIの技術は、日本の教育機関にも導入が進んでいます。
2025年4月には、滋賀大学が日本で初めて教育向けプラットフォーム「ChatGPT Edu」を導入。研究支援、学習支援、大学運営の効率化に活用される予定です。
さらに、国内の大手企業でも「ChatGPT Enterprise」が活用されはじめており、業務の自動化や顧客対応の質向上を目的とした導入が広がっています。
日本政府との連携・対話
2024年4月には、OpenAIのCEOサム・アルトマン氏が来日し、岸田文雄首相と会談。日本でのAI活用の将来や、ルール整備の重要性について意見交換を行いました。
2025年2月には、石破茂首相(当時)も、ソフトバンクの孫正義氏とともにOpenAI関係者と会談。政府レベルでの協力体制やAI戦略に関する議論がなされました。
OpenAIをめぐる論争・批判・訴訟
OpenAIは革新的なAI技術の先駆者として高く評価される一方で、社会的・倫理的な課題も抱えています。特に著作権、プライバシー、オープン性、軍事利用に関する問題は、国内外で大きな議論を呼んでいます。
このセクションでは、OpenAIに対する代表的な批判や訴訟の事例を整理して紹介します。
著作権侵害と大規模訴訟
OpenAIは、ChatGPTなどのモデルを訓練する際に使用したデータについて、著作権侵害の疑いで複数の訴訟を起こされています。
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2023年7月、作家のサラ・シルバーマン氏らがOpenAIを著作権侵害で提訴。
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同年9月には、ジョージ・R・R・マーティン氏(『ゲーム・オブ・スローンズ』原作者)を含む17人の作家が集団訴訟を提起。
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2023年末にはニューヨーク・タイムズ社もOpenAIとマイクロソフトを提訴。
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2024年以降も、カナダや日本を含む複数国の報道機関が著作権問題で訴訟を起こしています。
こうした訴訟の多くは、AIの訓練に使用されたデータが著作権者の許可を得ずに収集・利用されていた点を問題視しています。
個人情報の収集とGDPR違反の指摘
OpenAIは、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に違反している可能性があるとして、各国のデータ保護当局から調査を受けています。
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2023年、イタリアでは一時的にChatGPTの使用が禁止される措置も。
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2024年には、オーストリアの団体NOYBがOpenAIをGDPR違反で提訴。
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指摘されている問題には、「誤った個人情報の生成」「修正要求への対応拒否」「学習データの出所の非公開」などが含まれます。
これにより、AIによる情報生成が個人の権利を侵害する可能性があるとして懸念が広がっています。
オープン性の欠如と退職者への圧力
OpenAIは「Open=透明性・公開性」を理念に掲げて設立されましたが、近年はその姿勢が変化しているとして内部からも批判の声が上がっています。
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GPT-4以降は、モデルの構造や訓練データの詳細を非公開に。
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2024年には、退職する従業員に対し「会社を批判しない」と約束させる秘密保持契約を結ばせていたことが報道され、物議を醸しました。
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元従業員の一部は株式報酬を放棄してまで契約を拒否したとされています。
この一連の問題は、AI企業としての説明責任や倫理観に対する疑問を呼び起こしました。
軍事転用と倫理的懸念
OpenAIは設立当初、「軍事目的での利用を禁止する」と明記していましたが、2024年にはこの方針をひそかに削除。同年12月には、防衛テック企業「Anduril Industries」との提携を発表し、正式に軍事分野への参入を宣言しました。
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AIが軍事や兵器開発に使われるリスクに対して、学界や人権団体から強い懸念が示されています。
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マイクロソフトを通じて米国防総省(DARPA)とも連携していることが判明。
このような動きは、「人類に利益をもたらすAI」というOpenAIのミッションとの整合性に疑問を投げかけています。
OpenAIの今後の展望と課題
OpenAIは、技術革新と事業拡大を続ける一方で、社会的な責任や倫理的な課題にも直面しています。AIの進化がもたらす可能性は大きい一方で、その影響を正しくコントロールするための議論や対応も求められています。
このセクションでは、OpenAIの今後に関する主要な展望と、乗り越えるべき課題について解説します。
汎用人工知能(AGI)実現への挑戦
OpenAIの最終的な目標は、汎用人工知能(AGI)の開発です。AGIとは、人間と同等またはそれ以上の知的能力を持ち、あらゆるタスクを自律的に遂行できるAIを指します。
サム・アルトマンCEOは、AGIが正しく実現されれば、教育・医療・科学・気候問題など、さまざまな分野で人類に大きな恩恵をもたらすと語っています。一方で、その影響力の大きさゆえに、社会的なリスク管理やグローバルな合意形成も不可欠です。
AIと社会の関わり方
AI技術の普及により、仕事の自動化、教育の個別最適化、創造性の補助などが現実のものとなりつつあります。OpenAIの提供するツールは、日々の生活やビジネスに深く関わるようになってきました。
今後は以下のような領域での活用が期待されています:
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教育(個別チュータリング、学習支援)
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医療(診断補助、医療データ分析)
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ビジネス(顧客対応、業務効率化)
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科学研究(シミュレーション、文献解析)
ただし、AIによって一部の仕事が代替されたり、情報の正確性や偏りの問題が生じたりするリスクもあります。
オープンソース vs クローズドな戦略の行方
OpenAIは設立当初、「技術はオープンに公開する」としていましたが、近年はセキュリティ・競争・倫理の観点からクローズド(非公開)戦略に転じています。
この方針は、安全性の観点から一定の理解も得られている一方で、以下のような懸念も存在します:
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外部研究者や社会との対話が難しくなる
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技術独占による力の偏り
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本来の「Open(オープン)」の理念からの乖離
今後は、透明性と安全性のバランスをどう取るかが重要な課題になると見られています。
OpenAIはどこへ向かうのか?
OpenAIは、AIの開発・提供において世界の最前線を走る存在です。その影響力はますます拡大しており、テクノロジーだけでなく、政策・教育・倫理といった分野との連携が求められるフェーズに入っています。
AIが社会の未来を形作る時代において、OpenAIの選択と行動は、世界中に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。
OpenAIに関するよくある質問(FAQ)
Q. ChatGPTとOpenAIの違いは?
A. OpenAIはAI企業の名前で、ChatGPTはそのOpenAIが開発したAIチャットサービスです。
Q. ChatGPTは無料で使えますか?
A. はい、無料プランがあります。より高性能なGPT-4を使いたい場合は月額制の「ChatGPT Plus」プランもあります。
Q. OpenAIはどこの国の会社ですか?
A. アメリカのサンフランシスコに本社がある企業です。
Q. OpenAIを作ったのは誰?
A. サム・アルトマン、イーロン・マスクなど、複数の著名な起業家が共同で設立しました。